第8冊目

団地ともお 小田扉
第8冊目は、「団地ともお」。
団地ともおは、団地に住むごくごく平凡な一家の末っ子長男小学生ともおの日常。
ともおの小学生らしい大暴れを交えつつ、たまにはブラックかつ不条理なオチが待つという、なんともな漫画。
あまりのアホさに笑いが止まらず、あまりの悲しさに涙が止まらず、あまりの懐かしさに思い出はあふれ出す。
「僕がここにいる…」なんて感じる人はけっこういるのではないだろうか。
ちょっとまじめに書くと、この漫画はレトロと思われがちなのだが、実際はレトロ風味ファンタジーと捕らえたほうがしっくりくる。
ともおの日常は我々の日常とあまりに切り離され、日々日々まじめに働くサラリーマンの私はあの頃は楽しかったと昔を思い描く。
小学生がともおを読んだところで、本当の面白さは理解できないだろう。
思い出を持つものだけが楽しめる、そんな漫画である。

団地ともお(1) ビッグコミックス

団地ともお(1) ビッグコミックス